Ending Note
ママの葬儀の日は、悲しみに暮れているあたしたちとは正反対に、天気は快晴だった。
出棺の前の最後のお別れの時に、ママに頼まれていた物をすべて棺に入れる。
「それ、へその緒?」
2つの木製の箱を見た静子おばさんに聞かれて、あたしはこくりと頷く。
「これで蛍ちゃんとあんたたちは繋がっていたんだよね」
ねぇ、知ってた? と、静子おばさんは話を続ける。
「赤ちゃんがお腹の中にいた時は、お母さんが赤ちゃんを守っていたでしょう?」
「……うん」
「お母さんが死んだら、今度は子供たちがお母さんを守るの。このへその緒でね」
「へその緒で?」
「そう。お母さんがへその緒を持ってあの世に行ったら、すべての罪を許されるらしいよ」
離れていてもあんたたち親子はちゃんと繋がっているんだよ、と、静子おばさんは言いながら、あたしの頭を優しく撫でた。