Ending Note
最初のコールですぐに病院に行っていたら、あなたと話ができたかもしれない。
あなたが、あたしの顔を見てくれたかもしれない。
それなのに――……
あたしがカラオケを止めて病院に向かったのは、最初のコールから1時間も経ったあとだった。
あたしは、永遠の別れより、今この時の幸せを選んだわけじゃないの。
あなたのことを嫌いだとか、どうでもいいとか、そういうわけじゃないの。
ただあたしは、現実を認めたくなかったし、そして何よりも怖かったんだよ。
いつもそばにいることが当たり前だった、
大切なあなたを失うことが――……