Ending Note
……ママに感謝。
の、前に。とりあえず説教だな、うん。
「お、いるいる」
ようやく見えてきた水町商店街。
渡辺さんのお店は商店街の入り口にあって、店先には口うるさい渡辺夫人がお客さんと談笑している姿が見える。
反射的にバッグの中からスマホを取り出して時間をチェック。
“17:05”
無情にも約束の時間は過ぎていた。
「……はぁ」
憂鬱なため息をつくあたしに裕貴先輩が言う。
「大丈夫。俺が言ってやるから」
「……お願いしてもいいですか」
本当なら遠慮するところだけれど、半べそ状態で裕貴先輩にお願いした。