不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
突然の失踪。そして、突然の再会。成り行きだからって、食事を共にして、

そのまま?どうなるというの?

紅茶に砂糖が溶けるような当たり前の事ではない。


なぜ、彼は突然私の前に現れたのだろうか?

なぜ、彼は私と一緒にいようと思ったのだろうか?


この20年色々あった。本当に、色々あった…

元々常識で推し量れない彼はともかく、私にとっては

何もなかったかのように埋められる程短い時間ではない。

でも私は、今までの色々な感情をとりあえず全て横に押しやり、

この非日常の状況に観念するしかない…

何を考えているのか、どうしてそうするのか…

よくわからないのが、彼なのだから…

食事終わり、これからどうしようかと緊張していた私に、

「ほうちゃん、僕、先にシャワー浴びてくるね。よかったらケーキでも頼む?」

これも彼らしい発言。でも私はもうこれ以上何かを食べたいとは思えなかった。

「お腹いっぱいだからもういらない…」

「そう?いっつもなら食べるのに…

まあいいや。じゃ、ごゆっくりどうぞ…」

彼は、荷物を置いているらしいベッドルームに消えてから、

私の前を無言で素通りしてバスルームに向かった。



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