不条理な恋 理不尽な愛 (ベリカ版)【完】
…慰撫(いぶ)
夜半、ゴロゴロ…
という突然のけたたましい音に、目が覚めた。
ベッドを飛び起き、カーテンを引いた窓辺に駆け寄る。
カーテンをがばっと開けると、外は激しい雨で空には閃光がいくつも走っていた。
その稲光を見た瞬間、
「キャ―――――」
と叫びながらベッドに駆け戻り、かけものを頭からかぶった。
それからも、その音は鳴りやまなかった。
部屋の外でゴトゴト音がして、ガチャっとドアが開いた。
だれ?
怖くて頭のかけものを取れない。
その気配はこちらに近づいてきているようだった。
でも私は、轟音と光に怯えその場を動けなかった。
ベッドの端が沈んだ感じがした。いよいよ来る!!と思った時
「大丈夫だから。僕が落ち着くまでそばにいてあげるよ」
聞きなれた声がして、頭を優しく撫でられた。
それからしばらくの間、音が小さくなるまでその手は私の頭を撫で続けた。
その掌が…
母親になだめるられているように感じた。
あたりが静かになると彼は頭のかけものを外し、直接頭を撫でてくれた。
彼の掌が、頭を両手で抱えていた私の左手に触れた。
一瞬止まった掌が、薬指のそれを撫でながら
「指輪なんだね…」
とつぶやく。
という突然のけたたましい音に、目が覚めた。
ベッドを飛び起き、カーテンを引いた窓辺に駆け寄る。
カーテンをがばっと開けると、外は激しい雨で空には閃光がいくつも走っていた。
その稲光を見た瞬間、
「キャ―――――」
と叫びながらベッドに駆け戻り、かけものを頭からかぶった。
それからも、その音は鳴りやまなかった。
部屋の外でゴトゴト音がして、ガチャっとドアが開いた。
だれ?
怖くて頭のかけものを取れない。
その気配はこちらに近づいてきているようだった。
でも私は、轟音と光に怯えその場を動けなかった。
ベッドの端が沈んだ感じがした。いよいよ来る!!と思った時
「大丈夫だから。僕が落ち着くまでそばにいてあげるよ」
聞きなれた声がして、頭を優しく撫でられた。
それからしばらくの間、音が小さくなるまでその手は私の頭を撫で続けた。
その掌が…
母親になだめるられているように感じた。
あたりが静かになると彼は頭のかけものを外し、直接頭を撫でてくれた。
彼の掌が、頭を両手で抱えていた私の左手に触れた。
一瞬止まった掌が、薬指のそれを撫でながら
「指輪なんだね…」
とつぶやく。