不条理な恋 理不尽な愛 (ベリカ版)【完】
「どうして…」
「…」
「どうしてなの?」
「…」
「なんで何も答えてくれないの…」
「…それは」
戸惑って黙っていた彼の声を聞いた瞬間、それ以上言い訳を聞きたくなくなって…
勢いよく彼の唇に自分の唇を覆いかぶせ塞いだ。
突然近づいた顔。お互いの瞳が激しく絡み合う…
彼の瞳は突然のことに見開いて、心底驚いているようだった。
口の中で声が聞こえたが、それでも私はその言葉を全て飲み込んだ。
もう嫌…
自分が問った事なのにいざとなるとその答えを聞きたくなかった。
もうこれ以上嫌な言葉を耳にしたくなかった…
それなのに触れた唇から、「ほうちゃん、アイシテル」
という言葉が聞こえてきた気がしてしまった…
こうなることを避けていたはずなのに…
こうなることが怖かったのに…
それでも一度彼に触れてしまえば、募る思いは枯れてしまったはずなのに
どこからともなく溢れ出して留まることを知らなかった…
この唇が、私のあの頃の全てを思い出させてしまう。
大希さんは好きだけど…
愛しているけど…
家族も大事なんだけど…
それでも私は、間違いなく今でもこの人が好きなんだ。
「…」
「どうしてなの?」
「…」
「なんで何も答えてくれないの…」
「…それは」
戸惑って黙っていた彼の声を聞いた瞬間、それ以上言い訳を聞きたくなくなって…
勢いよく彼の唇に自分の唇を覆いかぶせ塞いだ。
突然近づいた顔。お互いの瞳が激しく絡み合う…
彼の瞳は突然のことに見開いて、心底驚いているようだった。
口の中で声が聞こえたが、それでも私はその言葉を全て飲み込んだ。
もう嫌…
自分が問った事なのにいざとなるとその答えを聞きたくなかった。
もうこれ以上嫌な言葉を耳にしたくなかった…
それなのに触れた唇から、「ほうちゃん、アイシテル」
という言葉が聞こえてきた気がしてしまった…
こうなることを避けていたはずなのに…
こうなることが怖かったのに…
それでも一度彼に触れてしまえば、募る思いは枯れてしまったはずなのに
どこからともなく溢れ出して留まることを知らなかった…
この唇が、私のあの頃の全てを思い出させてしまう。
大希さんは好きだけど…
愛しているけど…
家族も大事なんだけど…
それでも私は、間違いなく今でもこの人が好きなんだ。