不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
過去に何があっても、どんなものを見たとしても、

どんなめにあっていても、それでも今

この時を愛おしい気持ちで大切に大切に生きていこう。

そう、未来への幸福の扉は自分で開くものだから…

私はこの手でそれを諦めずに生きてきた。

無論大希さんの支えなくここまで来ることはできなかったけど…

そして、チャンスさえあれば新しい自分を発見してみたい…


「今十分俺は幸せだよ。改めて二人が楽しそうにする姿を見てそう思った。

このまま、こうやって3人で時間を紡いでいこう。

何事も永遠に続くわけじゃないかもしれない。

でもどんな時も、俺達二人の最期の時まで絶対にお前と一緒にいる。

絶対にどこにも行かないから…」


暗闇の中、耳元で低いかすれた声が私の耳の中に響き渡る。

どんな時も、大希さんは女の欲しい言葉をくれる。

傍にいてやさしく抱きしめてくれる。

時に情熱的に求めてくれる…

でも私の胸は少し痛かった。


なんで私をわかってくれないの…

と。

この人は、私を一番に考えてくれる。

誰よりも、

…私よりも私の事が一番。


その胸の痛みは、これから起きることの序章でしかなかった。
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