不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
「じゃ、ここに失礼するよ」

課長はこちらに向き直ると休憩室の端にある一段高くなった畳の空間の端に

腰かけ、私をゆっくりと舐めまわす様に見上げた。

その瞳と目があった瞬間、背中がぞくっとした。

これ以上目が合えばその場に崩れてしまうかもしれない…

私は直接視線を合わせないようになんとか逸らしながら、

でも視界から外してしまうと何をされるかわかない恐怖で、ぼんやりと課長の方を眺める。

「コーヒーは後からでいいよ。

君の方がいいねぇ。こっちにおいで」

ぼんやりとした視界の中でも口角を上げ、

薄ら笑いを浮かべた課長がこっちに向かって手招きをするのが見えた。


頭の中が一気にどす黒いもので掻き回された。

気持ち悪い!!!
気持ち悪い!!!!
気持ち悪い!!!!!

ただその単語がぐるぐると繰り返され、突然猛烈に吐き気をもよおす。


「来ないの?残念だねぇ。なら…

こっちから行っちゃおっかぁ?」


この場の空気にそぐわないふざけた口調でヘヘヘヘと笑いながら、ごそっと物音がした。

課長がその場に立ち上がった。

何のために立ったのか…

ぼんやりとした視界の中で徐々にこっちに向かって…
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