不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
「頑張るだけか?忙しいのを言い訳にしてずるずるということを聞かないなら、

俺が無理矢理でも連れて行くぞ」

「うん。仕事の段取りもあるから来週中で、早いうちに行くようにするから…

それで許してくれる?」

「本当は、明日にでも行ってほしいけど、仕方がないよな。

でも、とにかく早く行け。瑞希もおそらく心配してるぞ。

お前の調子がどうなのか位もうわかる年頃だ。

母親が幼い息子に気を使われてどうする?

それから、どうだったのかきちんと報告すること」

「わかりました」

「お互い若くないから…

本当に身体だけは大事にしてくれよ」

「ねえ。この話はもう終わりでいい?」

「ああ。もうおしまいだ」

私は感謝と情愛の気持ちを込めて、彼の胸に頬をすり寄せた。

昔からそうだ。細かい所にまでよく気が付く。

それとは違って大雑把なところのある私。

自分のこともついなおざりになってしまう。

そういう時、大希さんは必ず強く私を導く。

そのおかげで私はここまで生き延びてきたのだろうから…


その後、しばらく大希さんは私の頭を撫でてくれた。

私は大希さんに寄りかかったまま、今日あったたわいもないことを話した。
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