不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
「妊娠してますね。おめでとうございます」

医師は私に開口一番そう言った。

にんしん…

妊娠…

妊娠?


子どもはもう一人は欲しいと思っていた。

こんな私の身体でも二人ぐらいなら何とかなるのではないか…

瑞希に兄弟をという思いは私の中で年々強くなっていた。

でも肉体は年々衰えていき厳しくなる。

以前の治療の時も本当になかなか子どもができなかった。

それも具体的に何か病気や障がいがあるわけじゃなくて、原因かわからなかった…

治療しても100%妊娠するわけじゃないけど

なんか人間として劣っていると言われたような気がした。

普通であることがうらやましく、女として自信がなくなり自分の身体が恨めしかった。

それでも最終的に私は瑞希と出会うことが許されたのだから、まだまし…

いやラッキーだろう。そう思うしかなかった。


それまでのあの苦痛を考えれば今回は治療することもなく…

意識することなく…

子どもができた。

子どもができたの?私?

本当?

女として自然に、普通に妊娠できる…

それは私だけにはあり得ないことだと思っていたのに…

今目の前で言われたことが、信じられなかった。
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