不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
疑問に思ったところで目が覚めた。


時計に目をやると、朝の7時。嫌な予感がして、パニックになりそうな気持ちを抑え、

彼の実家の電話番号をメモしてくれたものを探す。

鞄を全てひっくり返し中身を掻き回した。メモされた小さな紙は財布の間から出てきた。

胸をなでおろして、今度は電話に向かう。ひとつひとつボタンを緊張しながら押した。

呼び出しが始まって…

3回コールの後、誰かが出た。

「もしもし?」

「もしもし朝早くにすみません。大井さんのお宅ですか?

眞人(まさと)さんは、眞人さんは昨日お帰りになられてますよね?」

「いえ、帰ってませんが…」


私の不安は的中した。昨日帰郷すると言って以来彼の消息はつかめなくなった。

…彼はその日を境に忽然と姿を消した。


彼がいなくなったことがわかったその日の昼過ぎ、郵便の配達のバイクの音を聞いて…

私はポストに走った。

その中には見たことのある封書が1通。

胸騒ぎを押さえながら自分の部屋に走って戻り、その手紙の封を乱暴に破った。


中には紙が一枚…

私は見覚えのあるその紙を震える手を何とか動かしながら開いた…

「僕は、元々この世界の住人で~

…あの声以外、同じことが起こった。
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