不条理な恋 理不尽な愛 (ベリカ版)【完】
大希さんは隣にゆっくりとした動きで座り、穏やかに語りかけてくる。
目を見開いて固まっていた私は、その瞳に囚われた。
でも次の瞬間、その瞳に全てを見透かされそうで俯く。
「どうした?」
彼はそんな私の行動を見て心配そうに顔をのぞきこんできた。
「なんでここにいるんだ?
昨日病院に行って、大きな問題はないって言われたんだろ?」
私は逆らわずに、こくりとうなずく。
「何か他に気になることでもあったのか?」
彼の手が私の顎に伸びてきて、私の顔を自分に向かせ、
目を見て話をしようとする。
その時タイミング悪く
「佐々木穂香さん。診察室にどうぞ」
と呼び出しがかかった。
私はすぐには返事ができず、ただどうしようかとおろおろする。
「…はい」
大希さんが代わりに低い声で返事をした。私があわてて立ち上がろうとすると、
当たり前のように、私の腰に手を回してグイと押しながら彼も診察室に向かう。
普段は激甘で、一見何でも私の言うことを聞いてくれるように見られている
彼だが、こういう時は強引で、私が何を言っても聞くことはない。
彼は、扉をノックすると
「失礼します」
と言って私を伴いながら中に入っていった。
目を見開いて固まっていた私は、その瞳に囚われた。
でも次の瞬間、その瞳に全てを見透かされそうで俯く。
「どうした?」
彼はそんな私の行動を見て心配そうに顔をのぞきこんできた。
「なんでここにいるんだ?
昨日病院に行って、大きな問題はないって言われたんだろ?」
私は逆らわずに、こくりとうなずく。
「何か他に気になることでもあったのか?」
彼の手が私の顎に伸びてきて、私の顔を自分に向かせ、
目を見て話をしようとする。
その時タイミング悪く
「佐々木穂香さん。診察室にどうぞ」
と呼び出しがかかった。
私はすぐには返事ができず、ただどうしようかとおろおろする。
「…はい」
大希さんが代わりに低い声で返事をした。私があわてて立ち上がろうとすると、
当たり前のように、私の腰に手を回してグイと押しながら彼も診察室に向かう。
普段は激甘で、一見何でも私の言うことを聞いてくれるように見られている
彼だが、こういう時は強引で、私が何を言っても聞くことはない。
彼は、扉をノックすると
「失礼します」
と言って私を伴いながら中に入っていった。