不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
俺たち二人の人生は、紆余曲折あった。

まずは二人の人生と言えるところまでにたどりつくことさえ

簡単ではなくままならなかった。

お互いの想いはなかなか交わらなかった。

俺にも色々としがらみがあったし、

ほのかはアイツの事が長い間忘れられなかった。


本当の意味で、ほのかが俺だけのものになり、

この腕の中で眠るようになってくれた時の感激は言葉には表せなかった…

穏やかだか情熱的なほのかと情交をかわす。それだけでも奇跡だと思った。

そして、艶やかな姿態のまま眠る彼女を穏やかな気持ちで眺めながら、

閉じた瞼に口付けることのできる幸せ…

結婚してしばらくの間、眠ることが怖かった…

目が覚めるとそれはすべて幻で、

ほのかの隣にはあいつがエクボを浮かべながら

こっちを向いて微笑んでいるのではないかと…

そうやって怯えてしまうくらい俺たち二人に大きな爪痕を遺したあいつ。

あの長い暗闇のようなトンネルを思い出すと胸が締め付けられる。


やっとこの頃、瑞希とほのかと俺の3人の比較的穏やかな生活が

送れるようになったはずなのに、ほのかの出張の後から、

何かがおかしい…

何かが違う…


何がおかしんだ?

何が違うんだ???


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