不条理な恋 理不尽な愛 (ベリカ版)【完】
…天秤
そう言ったとたんに、私はその場で固まってしまう。
私にとってこの話題は鬼門。その様子から察したのか
「すまない。この前から何度も聞いて…」
申し訳なさそうにうなだれる。
違う。そんなふうになって欲しいんじゃない。
私だって好き好んでこんな反応をしてるんじゃないけど…
でも、身体は正直なのかもしれない…
心で規制しても反応してしまう身体をどうすることもできなかった。
「大丈夫だよ。でもそれだけ心配なんだよね。わかるからその気持ち…」
理解をしているような言葉を吐いているくせに、体が震えはじめた。
止まれ。これじゃ、大希さんを責めてるようなもんじゃない?
私はそんなこと思っていない。そんなふうに彼を追い詰めたいわけじゃない。
これに関しては、彼は本当に何にも悪くない。
私の心が弱いだけ…
私の気持ちがしっかりしていないだけ…
私が忘れる努力もせず、一人で立ち向かう勇気もない意気地なしなのだから…
彼は私の両肩をつかんで、やさしくゆっくりと揺さぶった。
「本当に…
本当に、大丈夫なのか?」
言い訳をしたいのに、言葉が出なくなり、放心状態になりながらも、
かろうじてうなずいた。
私にとってこの話題は鬼門。その様子から察したのか
「すまない。この前から何度も聞いて…」
申し訳なさそうにうなだれる。
違う。そんなふうになって欲しいんじゃない。
私だって好き好んでこんな反応をしてるんじゃないけど…
でも、身体は正直なのかもしれない…
心で規制しても反応してしまう身体をどうすることもできなかった。
「大丈夫だよ。でもそれだけ心配なんだよね。わかるからその気持ち…」
理解をしているような言葉を吐いているくせに、体が震えはじめた。
止まれ。これじゃ、大希さんを責めてるようなもんじゃない?
私はそんなこと思っていない。そんなふうに彼を追い詰めたいわけじゃない。
これに関しては、彼は本当に何にも悪くない。
私の心が弱いだけ…
私の気持ちがしっかりしていないだけ…
私が忘れる努力もせず、一人で立ち向かう勇気もない意気地なしなのだから…
彼は私の両肩をつかんで、やさしくゆっくりと揺さぶった。
「本当に…
本当に、大丈夫なのか?」
言い訳をしたいのに、言葉が出なくなり、放心状態になりながらも、
かろうじてうなずいた。