不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
「病院に行って妊娠って言われてすごく嬉しかったの。でも驚いて…

とっさに隠しちゃった。それから、考えれば考える程色々な事に自信がなくなって…」

「産むのはお前しかできないが、他のできることは何でもするぞ。

今までもそうしてきたのに…

どうして不安なとき、俺を頼りにしてくれないんだ?お前だけの子じゃないんだぞ?」

「そうだよね。ずっとそばにいてくれているのに、何でこんな時だけ一人で抱え込んで…

ごめんね」


「じゃ…

産むか?」

「産んでもいいの?」

「ああ。もちろんだ。みずきに弟か妹が欲しかったんだろ?」

「うん…」

彼は私に手を伸ばしてきて、ゆったりと抱き寄せた。

「産んでくれよ。すごく大変だろうけど…」

「…うん。産みたい」

「…ありがとう。俺たちに、大切な宝物がまた増えるんだな」

大希さんが抱きしめる力を強めた。

「本当にありがとう…」

そう耳元で囁いてから、私をまじまじと見つめた。

お互いの視線を優しく絡めると、額に唇が降ってきた。

優しい触れるようなキス。そして、それは唇までやってくる…


その日、久々にベッドで抱き合って寝た。

それは変な意味はなかったが、夫婦としてリスタートした瞬間のような気がした。
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