不条理な恋 理不尽な愛 （ベリカ版）【完】

ぐちゃぐちゃに歪んだ瞳が次に映したのは…

真っ白な染み１つない天井だった。

どのくらいの時間が流れたのだろうか？私はベッドに横になっていた。

『どうして…

なんで…』

私の凍りついた頭の中に浮かぶのはそんな言葉だった。

がばっと起き上がって周りをきょろきょろと見回したが、誰もいない。

彼はどこ？

そのことが無性に寂しくなり心細くなる。

胸を締め上げるような痛み。頬に涙が伝う。

混乱する気持ちに体がついてこない。


これはどこからが現実で、どこからが夢なのか？

そもそも出張自体が夢なのだろうか？

わからない。そんなこともうわかんない…

でもこれ以上堕ちると収拾がつかなくなるのは自分でもわかってる…

私は首を左右に思いっきり振って

その全てのネガティブなもの想いを振り払おうとした。


段々と意識がはっきりして、何かが、今が、どうなのかの手がかりがないのか？

と私は全神経をとがらせたが、それは不快な空気をより感じでしまうだけだった。

元々過敏な私がこういう時、上手くいくわけもなく…


自分を自分で嘲笑したい気分だった。そして突然私は衝動に駆られ叫んだ。

「いや―――――――」