消えた同級生【玩具の女編】
病院を出る時には晴れやかな心で、外の空気を吸えた。

私の心とは反対に緋色は硬い表情をしている

こってりやられたのかな…

私はそんな彼から思いもよらない言葉を言われる



「悪かったな…」

「え?」

「これからはちゃんと考えるよ…避妊もする…」

「…緋色」

「確かに妊娠してもいいって思ったけど…今は…」

彼が真剣に私の顔を見た。

久しぶりの真剣な顔…




「今はお前が1番大事だから…」

緋色?

そんな風に思ってくれるの?私を?

私の心が少しずつ溶けていくような気がする…

私は自然と笑っていた…

自然と二人手を繋いで家に帰った。

二人住むあのアパートに…



そしてあの日に向かっていく…

あの運命の日

あのクリスマスイヴへ…

私が私を殺した、あの日へ




死ぬ事は怖くない…


でも…………
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