消えた同級生【玩具の女編】
姉妹
「編入試験の結果から、君は国公立大学特進クラスに入ってもらうから」
ざわざわと話し声のする職員室で、その少女は説明を受けていた。ここは小学から高校までの有名私立校である。
「しかし君はずいぶん優秀だねえ」
「いえいえ、試験前に必死こいたヤマが当たっただけですから」
彼女が屈託なく笑う。肩までのショートボブで軽いウェーブに少し明るめの髪。左耳にだけ付けた水色のピアス。その姿に担任教師は困惑気味だった。
「あれ?もしかしてパーマ禁止?」
「いやいや、違うんだよ。君がどうと言う訳じゃなく…」
言いにくそうに言葉を濁した。彼女はその理由を知っている。
「妹の事ですね?」
教師は一瞬ギクリとした表情を見せたが、諦めたように素直に話し出した。
「君が気分を害したら申し訳ないが、顔はよく似ているのに、雰囲気が全く違うもんだから、動揺が隠せないもので」
「あはは、先生って正直ね。そんなに似てます?」
「そっくりだよ。まあ、あの子はもう少し大人しい印象だったけど」
ざわざわと話し声のする職員室で、その少女は説明を受けていた。ここは小学から高校までの有名私立校である。
「しかし君はずいぶん優秀だねえ」
「いえいえ、試験前に必死こいたヤマが当たっただけですから」
彼女が屈託なく笑う。肩までのショートボブで軽いウェーブに少し明るめの髪。左耳にだけ付けた水色のピアス。その姿に担任教師は困惑気味だった。
「あれ?もしかしてパーマ禁止?」
「いやいや、違うんだよ。君がどうと言う訳じゃなく…」
言いにくそうに言葉を濁した。彼女はその理由を知っている。
「妹の事ですね?」
教師は一瞬ギクリとした表情を見せたが、諦めたように素直に話し出した。
「君が気分を害したら申し訳ないが、顔はよく似ているのに、雰囲気が全く違うもんだから、動揺が隠せないもので」
「あはは、先生って正直ね。そんなに似てます?」
「そっくりだよ。まあ、あの子はもう少し大人しい印象だったけど」