消えた同級生【玩具の女編】
「一ヶ月、ちゃんと我慢して、次はじっくり時間をかけて愛してあげること!わかった?」

「了解!」

俺は返事をしながら、蒼湖の脅しに使ったデータを全部削除した。

蒼湖は見つけられない…

この世に無い物を探すことは出来ない。

俺の勝ち





学校の奴らには蒼湖に手を出させないようにした。

付き合ってることにしてしまえば、誰もちょっかい出さないだろう

噂が広がればいいんだ…

誰にも触らせない。



よし!今日から蒼湖が家に来る!

俺は昨日めちゃくちゃ掃除をしまくった…

この部屋に誰かを呼ぶのは初めてだな…

家政婦以外誰も入れたことの無い俺の部屋。

瑠璃との思い出のベットも、もう買い替えた。今はあのダブルベットじゃなく、キングサイズのベットだ…
これからここで思い出を作る。



俺のささやかな夢

…家族が欲しい…



小さい頃から失った物。なくしたものはもう見つからない。それなら新しく作るしかないんだ。

俺は蒼湖と家族になりたい。

いつか伝わればいい…

今は無理矢理でも、お互い家族に恵まれてないんだから、支え合いたい。






いつか…
< 130 / 369 >

この作品をシェア

pagetop