消えた同級生【玩具の女編】

転機

かくして俺は、本当に蒼湖を手に入れることに成功した。

毎日飽きる事なく繰り返す快楽に溺れた。

これでいいんだ…

そう思っていた時、俺達に事件は起こる



―妊娠―

俺は汗だくになりながら自転車をこいで考えていた。

人間ってそんなに簡単に妊娠するのか…

それでも次から次へと出てくるイメージは、子供を愛おしそうに抱く蒼湖、二人で子供の手を繋ぎながら買い物する俺達…そんな事ばかり考えてしまって、足が軽くなった。

子供が出来れば家族になれる

今度こそ本当に!!

俺の脳みそは本気で浮かれてしまい、上機嫌で病院に向かった。



しかし蒼湖は時間と共に青くなっていく。

…堕ろしたいのか?

俺の子供だから?

俺を受け入れられないのか?

そんな不安に駆られ始めた頃、俺は待合室に呼ばれた。

蒼湖と入れ違いに…




「さて…」

医者が座り直して俺を見た。

「先生は、女の下半身が見たくて産婦人科医になったんですか?」

俺が悪態をついて医者を睨んだとき、カーテンの向こうから笑い声が聞こえた。
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