消えた同級生【玩具の女編】
やがて季節が過ぎていった。

夏が過ぎ、秋がきて、もうすぐクリスマスがやってくる。

街のイルミネーションが派手になり、至る所に赤と緑が飾られている。

俺は彼女のいる初めてのクリスマスにすっかり逆上せていた。

プレゼントはどうするか、家でパーティーをしようかそれともレストランとか行っちゃおうか…冬休みもそっちのけで俺は計画を立て続けた。

プレゼント…

1番頭を悩まされる…

服、バック、アクセサリー…あぁ、悩む…



「蒼湖…」

「ん?」

二人で湯舟に浸かりながら俺はふと聞いた。

「今1番…」

欲しいものは?

そう聞こうとしたとき、俺は思い出した。

―写真のデータが欲しい―

そう言われたら…

この生活は終わる

「何?」

「…面白いテレビって何?」

「えー?何だろう…」

…聞けない…

俺は結局聞くことが出来なかった…




「…女って何喜ぶ!?」

俺は蒼湖が寝た後、瑠璃に電話をした。

しかも外で

「勘弁してよ、こんな夜中に!本人に聞けば?」

「それが出来たら電話してねーよ!」
< 141 / 369 >

この作品をシェア

pagetop