消えた同級生【玩具の女編】
「蒼湖は静かな感じの落ち着いた色なんだ…蒼い…」

その時目についた石

サファイア

そうだ、この色だ…

俺は狙いを定めてサファイアのついた指輪を探した。

そして見つけた

中心に石が付いて、回りが花のつるのような形をした指輪。

「これだ…」

俺の一目惚れだ。

物も人もお互いが運命の相手だとわかるような感じがした。

明日から蒼湖がこれを付けるのかと思うと、自然に笑みがこぼれる。

「あんたでもそんな嬉しそうな顔、するんだね」

瑠璃も横で笑った。

俺達は駅前のファミレスで飯を食って別れた。

家に帰ったら蒼湖は布団に潜っていた。

「蒼湖?どうした?」

「具合が悪いの…放っておいてくれる?」

「何だよ、また妊娠したのか?」

俺は指輪を買えたせいですっかり有頂天になっていて、そんな言葉を軽い気持ちで言ってしまった。

「やめてよ!私に触んないで!!」

おでこに触ろうとした手を激しく振り払われた。

この家での生活で初めて蒼湖からの拒絶だった…

「ごめん…ホントに具合が悪いの…放っておいて…」
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