消えた同級生【玩具の女編】

俺から解放してあげるから…

だから頼むから生きてくれ！

「…嬉しい…」

少し微笑みながら、口も瞳も少し開いたまま蒼湖は動かなくなった…

「蒼湖？…蒼湖！？」

ピクリとも動かない…

「愛してるんだ、蒼湖！死なないでくれよ！！俺を遺して逝かないでくれ！」

救急車が来ても俺は泣き叫んだまま蒼湖から離れることが出来なかった。

俺は無理矢理引きはがされ、救急隊の人に連れられて一緒に病院に行った。

病院に運ばれたとき、蒼湖は意識不明の重体だった。



翌朝、蒼湖の母親が急いで病院に現れた。

「蒼湖！嘘でしょ…」

案内された病室の前で、その人は信じられない表情をしていた。

当然だ…家で変わらない生活をしてるはずの娘が、男の家で手首を切っただなんて信じられるはずない…

俺はふらふらしたまま母親の前まで歩いて行った。

「申し訳ありませんでした…」

俺が頭を下げると母親は俺に気付いた。

「あなた…一体どういう事なの！？理解できないんだけど！突然…何で…」

その時医者が現れ、蒼湖の母親に近づいた。