消えた同級生【玩具の女編】
「え!?」

「あんた、すごいところの息子なんだな。父親が圧力かけてきてな、別れ話のもつれで自殺未遂ということで決定だそうだ…」

「親父が?」

何でそんな事…

「待ってください!俺は一人…いや二人の人間を自殺に追い込んだんですよ!?捕まえてください!償わせてください!」

「そんな事言われても、あんたのしたことは彼女とあんたしか知らない事だ。それがホントであれ嘘であれ、証拠がない。それに上から圧力かけられてるんだ…こっちだってそこまで冒険は出来ないんだよ」

「そんな…」

涙が溢れた…

俺の罪は…償うことさえ許されない

「償わせてもくれないなんて…」

許されないということだ。一生…

「俺は捕まらないんですか?」

「お前を捕まえるって事は、ある意味いじめで自殺した人間の加害者を、全員逮捕するのと同じ事かもな」

俺はただ何も出来ず机に落ちる自分の涙を見つめていた。

「それに彼女はまだ生きてるだろ?そっちから考えろ!彼女が元気になって訴える気になったら、脅迫罪を付けてやる。まだ彼女は生きてるんだから償う償わないの事は考えるな…」
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