消えた同級生【玩具の女編】
「葬式も同じ。近くで見てるだけ…その時、蒼湖の母親に話し掛けられた…」
「蒼湖の?」
「寒河江さん…」
俺は話し掛けられるなんて思ってもみなくて驚いたが、もう何もかもが辛過ぎてどんな言葉も思い付かずただお辞儀をした。
「これ…蒼湖の遺品です。」
「俺に!?」
まさかあんな事をした俺に、この人が何かをくれるなんて思ってもみなかった。
差し出された物を受け取った瞬間、俺は驚愕する。
写真…
「知り合いの先生で、すごくいい医者がいて、その人の所に蒼湖をお願いしたの…遠い場所だったから急いで行った。辛い治療になるから、あなたには教えられなかった…」
蒼湖の母親は遠い目をした。
その顔はやつれ、辛い思いを出し尽くした抜け殻の様に見えた…
「あなたは悪い…」
俺は振り向いて彼女の顔を見た。
彼女は真っすぐ俺を見ていた。
「でも、私の方がもっと悪い…」
「え?」
「蒼湖の為だとは言え、働くのに夢中で蒼湖の傍にいてあげられなかった…もっともっと話しを聞いてあげられたはずなのに…
私は母親失格だ!」
「蒼湖の?」
「寒河江さん…」
俺は話し掛けられるなんて思ってもみなくて驚いたが、もう何もかもが辛過ぎてどんな言葉も思い付かずただお辞儀をした。
「これ…蒼湖の遺品です。」
「俺に!?」
まさかあんな事をした俺に、この人が何かをくれるなんて思ってもみなかった。
差し出された物を受け取った瞬間、俺は驚愕する。
写真…
「知り合いの先生で、すごくいい医者がいて、その人の所に蒼湖をお願いしたの…遠い場所だったから急いで行った。辛い治療になるから、あなたには教えられなかった…」
蒼湖の母親は遠い目をした。
その顔はやつれ、辛い思いを出し尽くした抜け殻の様に見えた…
「あなたは悪い…」
俺は振り向いて彼女の顔を見た。
彼女は真っすぐ俺を見ていた。
「でも、私の方がもっと悪い…」
「え?」
「蒼湖の為だとは言え、働くのに夢中で蒼湖の傍にいてあげられなかった…もっともっと話しを聞いてあげられたはずなのに…
私は母親失格だ!」