消えた同級生【玩具の女編】
俺の脳裏に浮かぶ蒼湖…


グレーのシーツに映える白い肌

彼女が片手上げて、枕の下に手を挟めて寝る癖

その屈曲した腕の美しさ

行為中に繋いだ彼女の指の細さ

料理を作る横顔

一緒に入った風呂で見せる、ほてった頬

たまに見せる甘い微笑み

こんなに鮮やかに蘇るのに、当の本人はもうこの世にいない…

もう触れることも出来ない…

暗闇に堕ちる…

暗い闇に

もう何も見えない…

何も写らない…

それでもお前が望むならここにいるよ。

ここでたった一人、生きてみせる…

辛くても、苦しくても

たった一人で一生…

誰もいないこの暗闇で…











「これしか知らない。これが俺の全部の記憶だ…」
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