消えた同級生【玩具の女編】
第四章 碧依
亡霊
次の日は昨日の暴動騒ぎでもちきりだった。
「碧依ちゃん、昨日もしかして…寒河江と…」
「蒼湖の話を聞いただけだよ」
「え!?マジで?」
「マジ…でも悲しくて…」
ふぅとため息をついたときだった。
「碧依!オーイ!」
教室の外からホストみたいな男が手を振ってきた。
「た、太門さん!?」
私は慌てて立ち上がり急いで近付いた。
ヤバイ…みんなめちゃくちゃ見てる〜
「昨日の件で俺が派遣されましたー!」
アホ丸出しだ!
その姿といえば黒いスーツに派手な開襟シャツ、髪型はオールバック!!
まんまホストなんですけど!!
「あ、どうもー!碧依の保護者でーす。実は俺達同棲してるんで…」
アホがクラスに大声で話す
「違うの!親戚なの!ホントにただの同居で…従兄弟なのー!!」
同棲とかみんな敏感なのにこのアホ男が!!
蒼湖の次に私が同棲してるなんて、どんな噂が立つと思ってんのよー
「碧依ちゃん…?」
ア然とした表情で、淑ちゃんが近付く…
「淑ちゃん!信じて!」
私は涙目で訴えた。
「友達?どーもどーも。上野太門でーす!」