消えた同級生【玩具の女編】



寒河江からもらった情報を頼りに、少し調べてみることにした。

放課後図書室に入り、何やら蔵書の間で本を読んでる寒河江の背中に話しかけた。

「ごめん、お願いがあって…」

私は寒河江とは反対側を向きながら話しかけた。

「何?」

「第三社会科室の鍵を貸してほしくて…」

「なんで?」

「…見てみたい」

背中から寒河江のため息が聞こえ、金属音が聞こえてきた。

「ほら。場所は3階西棟だ…」

「…ありがとう、使ったら下駄箱に入れておくね…」

寒河江からの返事は無かった。

「朝は従兄弟が失礼な事言ってゴメン…」

「言われて当然の事をしたんだ…お前の従兄弟が正しい…」

…寒河江…

「それでもゴメン…」

私はゆっくり離れ、言われた場所へと向かった。

まるっきり人気の無い校舎…

ゆっくり鍵を開けて中に入った。

始まりの場所―

その時私は右後ろから冷たい冷気を感じた…

ま、まさか…

初めての経験に動揺しつつ、恐る恐る後ろを振り向く…

そこには写真で見たことのある女の子が立っていた…

私の全身の鳥肌は総立ちだった…
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