消えた同級生【玩具の女編】
中は西日が当たって暖かい…

私は窓から夕日を眺めた。

外はこんなに綺麗なのに…

私は反対側を向いて、たくさん並んだ本棚を見回した。

細長い6畳ほどの部屋に大きな本棚ラックが両脇と真ん中に。講師用の机に椅子、そして長いソファ…

私はぐるりと一周しながら部屋を眺めた。

本をひとつひとつ見ていると、足元の見落としがちな場所にノートが並んでいた。

そのノートには『授業計画』と書いてある

日付は私が中学一年の時のものだ。

内容は歴史…多分…

字が繊細で、すごくキレイ……

そこには飛鳥時代から平安時代の事が書かれている丁寧なノート…

なんだろう…右はじに小さく枠で囲ってあって、それが全部のページにある。

…北嵯峨の貴族、富士の君、僧侶…落飾の天子?

なんかの物語かな…

私はノートを戻し、違う本を手に取って見たり、先生の机を漁ってみたりした。

特に何もないか…

今日はやめておこう、蒼湖の事を粗探ししてるような気がして、何だか悪い感じがした。

きちんと鍵をかけて出る時、蒼湖の幽霊はもう出なかった。
< 166 / 369 >

この作品をシェア

pagetop