消えた同級生【玩具の女編】
帰り際に寒河江の下駄箱に鍵をこっそり返し、私は家に帰った…







「ムカつく!ムカつくー!あいつ!」

太門さんは帰ってくるとすぐにそんな事を言っている…

「何したの?」

「あいつだよ!あの寒河江!」

「はぁ?」

みんな太門さんにムカついたかもしれないけど、寒河江?

私から見たら彼は立派だったと思うんですが…

「あいつ、俺の記録をまんまと抜きやがって〜!しかも、しかも、若造のクセに、俺と身長ちょっとしか変わらないって、何様だよ!」

…くだらない…

「いいじゃん、太門さんの方がわずかに高いんだから…」

「それだけじゃない…あいつのあの顔!あれは、絶対整形してるぞ!!あんな整った人間見た事無い!顔が良くて、背が高くて頭がいい完璧な人間なんて俺くらいしかいないのに…いないはずなのに!」



…馬鹿野郎だ……




最後の方は疲れたので、聞かずに部屋に戻った。

情けない…ただの嫉妬じゃん!

いい年の大人のクセに!

あーあ、今日の事、話そうと思ったのに馬鹿らしいから止めた!

私はベットにダイブし、蒼湖の事を考えた。
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