消えた同級生【玩具の女編】




あなたが傷付く…




私が蒼湖を想っているように、蒼湖も私を想ってくれているのだろうか…

守ろうとしてくれたの?




蒼湖も暗闇にいる…

寒河江とは違う暗闇に…


理由はわからないけど、私は漠然とそう思った。





翌日淑ちゃんと二人で学食に行った時、私は聞いてみた。

「自殺した社会の先生って、中一の時の先生だよね?」

「そうだよ。何で?」

…じゃあ昨日のあの綺麗なノートは、その先生が書いたものなんだ…

「どんな先生だったのかな〜って…」

「上野先生?」

「上野!?」

「そういえば同じだね〜。」

…ま、まあどこにでもある名前かな

「上野先生は…かっこよかったよ!綺麗な人!眼鏡かけてて、物静かな…」

出た!淑ちゃんの病気が…

淑ちゃんは綺麗系の男の人に目がない…

アイドルとか、バンドマンとか…ちょっと現実離れしている。

「確かお寺の息子だって言ってたような…あ!碧依ちゃん、ほら、あの人!!」

「え?」

淑ちゃんが指差した方を見ると、そこには淑ちゃんの青春がいた。
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