消えた同級生【玩具の女編】
「上野さん、どこ行くの?」

話しかけてきたのは、長身でショートカットの女の子だった。

「いや、学食に行こうかと…」

「場所わかる?私でよければ一緒にランチしない?」

「え!?いいの?よろしくお願いします!!」

とびきりの笑顔で笑った

相手の子もにっこり笑う

「でも、いいの?いつも食べてる人とかは?」

「うん、いいの。あのクラス特進でしょ?ご飯食べてるときも、塾の話とか模試の話とか。うっかりテレビの話なんかしたら、『テレビ見てる余裕なんてあるの!?』なんて言われて。まだ時間あるから、もう少し高校生活味わいたいなって思うのにさ」

「わかる!勉強と遊びどっちもしたいよねー!私だってテレビっ子だから、見なきゃ息詰まるよ」

そういうと彼女は嬉しそうに笑った。

「なんか嬉しいな〜。こんな風に話せる人、久しくいなかったから……私の名前は園田淑子(そのだしゅくこ)みんなにはシュクって呼ばれてる。私、蒼湖の親友だったの…」



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