消えた同級生【玩具の女編】
「え?」

淑子は寂しいそうに微笑んだ。

「みんな悪気は無いんだけど、事件が事件だから……でもみんながあんな風に上野さんを見るのが、私なんだか申し訳なくて…」

「そんな、園田さんが気にする事じゃないよ!仕方ないことだから…」

「ごめんね、気にしないでね。しばらくしたら落ち着くと思うから。」

「ありがとう…、優しいね」

碧依がまたにこりと笑った。

「私、蒼湖の事全然知らないから、いつか教えてね」

「それはもちろん!いつでも聞いて」

二人は笑った。





学食について二人は定食を頼んだ。

やはりここでも一部の人間から痛い視線が送られる…

「淑ちゃんはいつから蒼湖と友達だったの?」

「中一で蒼湖と同じクラスになってからずっとだよ。蒼湖は中学からこの学校に来たの。小学校は公立だったから…」

「へぇー、蒼湖って頭良かったんだ」

「うん、結構良かったかな…

あー、でもいじめられてた時は下がってたな。」

「え?蒼湖っていじめられてたの?」

慌ててハンバーグを箸から落としてしまった



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