消えた同級生【玩具の女編】
一瞬もう一度振り向いた時、寒河江と目が合ったような気がした。




中庭に出て、ちょっとした庭園を歩く

「ねぇ…本当に何か知ってるの?」

「あそこの木陰、あそこなら話すよ」

だ、大分人気が無いんですけど…

私は何かあってもいいように肩を回す。

こうみえて、空手だって護身術だってやってる

そんな人気の無い場所に呼び出され、私達は向かい合った。

「蒼湖の話…」

「君が僕と付き合ってくれたら、教えてあげるよ…」

「はぁ?」

「君は経験あるの?なさそうに見えるけど…」

「はぁ!?」

何こいつ!何コイツ!!

「僕は知っているんだよ…最後何をあの子が思ったか…」

「何よ…」

「あいつへの怨みだ…あいつを憎んで憎んで死んでいったんだよ…薬で」

「え!?」

私は壁に寄せられ、山谷君が私を両手で挟んだ。

怖い!何?

薬って…やっぱりコイツが蒼湖を!!

「その身体…」

「え?」

私は鞄を持ち上げて身体の前に強く寄せる

「ずっと欲しかったのに、あんな奴にやらせやがって…」

何?何?…おかしい…

この人…
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