消えた同級生【玩具の女編】
「一体どうなったんだ、この学校は!!」

そう言いながら先生達は山谷に近付いていく。

「疫病神…」

誰かがすれ違い様に捨て台詞を吐いた。

振り向かなくてもわかる…数学のデブだ

「大丈夫?」

「はい…」

女の先生がゆっくり上野を立たせている。

「保健の先生、多分帰られたわ。どうしよう…」

「俺、送ります。水かけたの、俺だし…」

「大丈夫〜?」

先生は明らかに不信の目を向けた。

「なんもしませんから!ちゃんと届けます。」

「よし!」

女の先生はニッコリ笑った

俺達はゆっくり歩いて、下駄箱まで向かう。

「…アイツ、犯人の可能性が高い…」

上野が唇を噛み締める

「お前が無事でよかった…」

「寒河江…そういえば何で来てくれたの?」

「お前、帰り際にスゲー不安そうな顔してたじゃねーか…」

「嘘!」

「助けてって顔してた。だから、こっそりつけてた」

「…ありがとう…わかってくれて…」

上野…

「…あれ?」

上野が自分の靴を取ろうとして声を出した。
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