消えた同級生【玩具の女編】
不安げな顔を俺に向ける上野…

一体誰がこんなカードを!?

意味がわからない…このカードを入れた人間が、山谷を上野にけしかけたって事か?

…でもアイツ…あの雰囲気…クスリでもやってんじゃねーか?

「帰ろうか…」

上野が珍しく気弱な声を出す

「俺の家、近いから寄っていけよ」

「え!?」

「そんな格好のまま帰せねーし…、俺の家なら乾燥機あるから、乾かして行けよ」

「…でも…」

何か不安そうに考え込んで上野は俯いた

「誰も襲わないけど…」

「え?あ、そ、そんな心配してないから!」

「じゃあ来いよ、あの従兄弟にも怒られたくないしな…」

「うん」



マンションの前に来ると、上野は建物や周りを見回している。

「ここ?」

「ああ」

「大きいね…」

なんだかびっくりして目を丸くさせてる

猫みたいだな…

部屋に入ると、キョロキョロ度は増した。
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