消えた同級生【玩具の女編】
「部屋大きい!!」
「まず、これ着ろ…」
俺は蒼湖が着ていた服を上野に渡す
「シャワー浴びてこい、好きに使っていいから…」
「…え?う、うん。ありがとう…」
上野はキョロキョロしながら風呂場を探して入って行った。
やがて上野は風呂から出て来て、申し訳なさそうに居間に入ってくる。
「ごめん、ありがとう…」
「暖まったか?」
「うん」
上野の笑顔が、痛く感じる。
「お前…昔何があった?」
「え?」
上野が不思議そうな顔をする。
「誰にヤられた?」
そう言った瞬間、上野の瞳の輝きが消えてしまった。
「な、何の事?」
「とぼけるな。あの襲われた時の反応、俺にはわかる。…蒼湖と同じだ…あのショック状態は半端じゃない!」
俺の視線を外す事なく、上野の表情は辛さを増して行った。
「…覚えてない」