消えた同級生【玩具の女編】
「あちっ…ケホッ…そう、忘れてた…話…」

「だから、なんだよ…」

「社会科室にあるの…」

「何が?」

「先生の日記…」

「先生って…上野先生?」

「そう…
ねえ、富士の君って言われて、誰の事かわかる?」

「富士…富士山…富士山の名を持つ女
…蒼湖だな…」

「じゃあ北嵯峨の貴族は?」

「北嵯峨!?地名だよな…北嵯峨?」

「寒河江のことじゃない?寒河江も地名でしょ?」

「俺…?さがえとさが…確かに言葉としては近い。…まてよ?俺、ここに来る前は北海道に居た…」

「北海道!北から来た寒河江!!北嵯峨だ…
そして…寒河江の家って古い歴史のある家でしょ?」

「…それで貴族…」

「あと僧侶が登場するの…それって先生でしょ?お寺の跡取りだって聞いたの…」

「いや、先生は母方のおじいさんの家が寺で、叔父さんがいなければ自分が跡取りだったって…跡取りではない…」

「じゃあ違うの?」

「…でも、先生の名前…」

「…名前?」
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