消えた同級生【玩具の女編】
俺が殺したのに、その俺が思い出せない蒼湖を作り出していく…

いつか…忘れてしまうのだろうか…

蒼湖と過ごした日々が…

俺から消えてしまうんだろうか

俺にはそれが怖い

忘れたくなくても忘れてしまったら?

俺の愛した人を俺が忘れてしまったら…

それが………怖い


「あっ!!」

「何した?」

「尾賀先生のジャージ、寒河江の家に忘れてきた!」

「あー、いいよ…俺洗っておくから」

「えー、悪いよ!だって私が借りたし…」

「俺が水かけたからいいよ、気にするな…」

「ごめん…なんか何から何まで…」

「そういえば尾賀とお前の従兄弟って、仲良さそうだったな」

「あれ、仲良いって言うの!?どう考えたって太門さんが迷惑かけてたとしか思えないけど…可哀相に!きっと尾賀先生、担任だったのよ…」

すっかり呆れながら上野は言う

「あの従兄弟とお前ってずっと一緒に住んでんの?」

「…うーん、ずっとってわけじゃ……」

「お前の父親は?」
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