消えた同級生【玩具の女編】
でも私達に誰よりも近くにいる…

側で色々見てる




私は少しずつ淑ちゃんへの不信が募り出していた。

仕事がら、友達でさえ疑う自分に嫌気がさす…

疑いたいわけじゃない…


でも……!!



「蒼湖!ホシがそっちへ向かった」

突然インカムに太門さんの声が聞こえ、ハッとする。

「了解」

仕事中だった!

私は慌てて気持ちを切り替えた。

囮捜査の囮だった…

私は派手な格好をし、高校生中心に、麻薬を売ってるバイヤーに近づいて行った










「あら、寒河江君久しぶりね…」

おばさんはすっかり疲れ果てた顔をしていた。

葬式で見た蒼湖の母親に、近いものがあった。

「家に行ったらお姉さんにこちらだと聞いたので…渡瀬の…透君の調子はどうですか?」

「…会わせられないわ…見せることはできるけど…」

「え…」

「もう人じゃないの…」

「…え?」

「人形よ」
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