消えた同級生【玩具の女編】
鼻が高いわ!

…なんて、行き詰まってるんだけど…

「まだ30代だろ?」

「32だよ。俺、大学の後輩だから間違いない…
先輩、ずっーと女のケツばかり追いかけてたから、犯人逮捕出来るんだよ!」




……え?

笑いが起こっていたが、私には衝撃だった…

32??

嘘…だって…

私の目の前が暗くなる…

心臓が速くなって、首に変な汗が出て来た…

太門さんが…私に嘘を?

私に嘘を…



私は走り出した。

そんな…信じられない!そうしたら全ての事が…今までの事が全部狂っていく!!

私は走った。






「ただいまー」

「おかえり…ねえ、太門さん…」

「ん?」

「そろそろ太門さんの誕生日だよね…、なんか欲しい物ある?」

「えー?もうそんな時期か…何でもいいよ…碧依の気持ちだけで十分だよ」

メロメロな顔で私の頭をわしゃわしゃと撫で回す。

この手が嘘を?

「…ところで、いくつになるんだっけ?」
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