消えた同級生【玩具の女編】
「ない!あいつはずっと俺を目の敵にしてる…」

「そう…だよね…」

「何だよ突然。あいつは俺より蒼湖の方が何倍も好きなはずだ」

「蒼湖を…」

もし淑ちゃんが蒼湖の事を好きになってしまって…邪魔な先生を始末しようとしたら?

先生もいなくなって、蒼湖が一人ぼっちになって、しばらくは良かったのに寒河江と付き合う事になったから今度は寒河江を殺そうとしたら、家にいたのは蒼湖だった…

だから仕方なく口封じを兼ねて、蒼湖に…

有り得ない話でもないか…

でも一つ腑に落ちない。

あの薬は、自殺を促す薬じゃない…欲望を引き出す薬だ…

そうしたら淑ちゃんは、先生も蒼湖も死にたいと思っていることを知っていたことになる…

蒼湖は身近にいたから、話を聞いていたとしても不思議じゃないけど、先生は?先生の本心をそこまで聞き出せることなんて可能なの?

大人と子供なのに?

それくらい深い仲なら、日記に出て来てもおかしくない。でも出て来るのは天子…天子は先生の事が好きなはずなのに…

「あー!頭の中がかゆい!!」

私が突然大声を出したので、視界の中で寒河江がビクッと肩を上げたのが見えた…
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