消えた同級生【玩具の女編】

「夏休みに見舞に行ったんだ…渡瀬の。お前が縛り上げた奴…あいつの母親から全部聞いた。そして思い出したんだ、お前が話したこと。蒼湖もあの変な薬で死んだんだろ？」

寒河江…

私は仕方なく頷いた。

「お前、何で色々知ってんの！？先生の事まで…
お前、何者！？」

私は寒河江を信用しすぎていた…

何でも話せる相手だと思って、何でも話した気でいた…

私のミスだ。

極秘なのに…私は馬鹿だ！

私は目を閉じながらゆっくり説明を始める。

「私、警視庁の人間なの…」

「け、警視庁？」

「警視庁麻薬捜査課。太門さんはそこの３係の係長で、私はその捜査の手伝いをしてる」

「麻薬…捜査…」

「今回初めて身内を捜査することになって正直困惑だよ…難解なんだもん…私は蒼湖達を苦しめた薬を調べるために、この学校に転入してきたの…」

「お前が？」

「隠してたのは謝るけど、寒河江に対して嘘偽りは無いよ！蒼湖を解放してあげたいのも本当…」

「…そうか…」

「隠しててゴメン。でもどうしても言えなくて…」