消えた同級生【玩具の女編】

愛情


怖い……

『触れるたびに好きになる』

そう言ったのは寒河江だった…




あの日から私達は毎日寄り添っている。

秘密の社会科室に鍵を閉めて

私はソファに座り、寒河江に寄り掛かっていた。

片手はきちんと繋がれているのに、私はそれでも反対の手を寒河江の腕に巻き付けていた。

好きになりすぎて…どうしていいかわからない…

怖い…

そう思うたびに寒河江を見つめると、寒河江は優しく微笑んでまた私にキスをした。

ほら、そうすると私はまた寒河江を好きになってしまう…

ゆっくりゆっくり触れ合う時間が、私の思考をどんどん狂わせていた。

私の優先順位が寒河江になってしまったから

「…寒河江、離れたくないよ……」

「離れるな、俺から…」

寒河江がぎゅっと私の指に力を入れる

でも、解決したら転校しなきゃいけなくなる…

離れたくなんかない

こんなに好きなのに…

寒河江はまた私にキスをしてくれる。
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