消えた同級生【玩具の女編】
「どうした?」

大きな手が私の頭に乗っかった。

「なんでもないよ?」

私はまた笑ってみせたけど、寒河江は不思議そうな顔をしながら、私の頭をくしゃくしゃにして歩き出した。




何やってるんだろう…

私には使命があるのに…

色恋に右往左往してる場合じゃない!

こんな事に悩んでいられないのに!

ダメだな、私…ちゃんと事件に集中しないと!

昨日の放課後は、文化祭の準備で結局二人で会えなかった。

蒼湖の事は聞けず仕舞い…

だからあんな変な夢見たんだ…

私は気持ちを切り替えて教室へと向かった。










昼休み、図書館で例のアルバムを見てると後ろから寒河江が来た。

「何かあっただろ?言えよ…」

「…な、何にも無いよ!」

「顔に書いてるぞ」

「か、書いてないって!」

寒河江は私の顔を心配そうに覗き込んではまた頭をくしゃくしゃにする…

「心配なんだよ…、言えよ」

「…………」

寒河江…

「変な夢を………」

「夢?」

「そう…」

「どんな?」

私はどうしようか悩んでしまった…

あんな内容の話なんか恥ずかしくて出来ないし…
< 262 / 369 >

この作品をシェア

pagetop