消えた同級生【玩具の女編】
「そ、蒼湖が…クリスマスに決着をつけるって」

「は!?決着?」

「決着!」

寒河江は変な顔をして考え込んだ。

「決着?」

「なんかわかる?」

「全然……
悪い、聞いたクセに役に立たないな…」

「ううん、聞いてくれただけで…」

「にしては元気ねーな
…ちゃんと寝たか?」

「大丈夫だよ…」

寒河江がまた優しく笑うから、私はまた流されてしまう

「一人で抱えるなよ…碧依…」

名前を呼ばれるのに、私はまだ慣れない…

ドキドキして死んじゃいそうになる

寒河江が近付いて、軽く私にキスをした。

「何でも言えよ…」

そんな事言われても…

今の私の悩みが寒河江に言える訳ないじゃん

そう思いながら渋々頷いた



そして私達は誰にも見つからない図書館の影でまた愛を交わす

寒河江が熱く優しくなる度に、私はついていくのが精一杯で気付けば夢中にさせられるんだ…





予鈴のチャイムの音で寒河江がゆっくり唇を離した。
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