消えた同級生【玩具の女編】
床に座り込む涙目の私をゆっくり引っ張って立たせ、また頭を撫でる。

「行くか…」

「うん…」

寒河江が私の手を引いたまま歩き出した。

ねえ、寒河江…続きは?

そんな問いを彼の背中にぶつけてみた。














放課後、文化祭の準備の後相変わらず私達は、社会科室でくっついていた。

手を繋いで、肩に頭を付けていると、寒河江も私の頭に顔を寄せてくる。

私が寒河江の顔を見ると、また微笑んで顔を近づけた。



私はこうして彼の笑顔に流される。



キスしてる時だけは全てを忘れられる…




寒河江の手がゆっくり私の背中をなぞった瞬間、パッと離れるのを感じた。

「なんで?触っていいよ…」
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