消えた同級生【玩具の女編】
「本気じゃなければこんな事言わないよ!
私寒河江で満たされたい!寒河江でいっぱいになれば越えられる…私頑張るから、もし抱きたいって思ってくれてるなら…」

「碧依…」

「私、不安なの…怖い…」

「何が?」

「寒河江が…離れるんじゃないかって…」

「俺ってそんなに伝わりにくい?」

「いや、甘々だけど…考えすぎだってわかるけど…」

「………俺は全然嬉しいけど、無理しないって約束するか?」

私は頷いた。

「好きだよ、寒河江…」

何だか涙が出てきて俯いた。

「バカ。大丈夫だから、な?泣くな…」

寒河江がゆっくり触れてきて、私は黙って目を閉じた。

寒河江が親指で頬の涙を拭ってくれるのがわかった。
温かくて優しい手…

失いたくない…

離れたくない…

好きすぎてどうしようもない…


寒河江の優しい唇が、まるで麻薬の様に私の脳内をゆっくり犯していった


部屋中に甘い音が響く。

私の叶えられた想いは、止まる事なく真っ直ぐに寒河江へ流れて行った。

気持ちが止まらない…

寒河江の事が好きすぎて、止められないよ…
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