消えた同級生【玩具の女編】
寒河江は一人屋上で待っていた。
金網越しに文化祭の準備をする生徒を見つめていた。
すると後ろから屋上のドアが開く音がしたのでゆっくり振り向く。
「お待ちしてました…」
「人をこんな所に呼び出して、いい度胸だな坊主!」
男は明らかに不愉快な笑みを向けて寒河江を圧倒した。
「ここは…貴方の弟さんが飛び降りた場所です…」
「嫌なガキ…いつ気付いたんだよ?」
「貴方が学校に来た時…そして二人の名前です。」
「………」
二人の間に風が吹き抜けていく。
「太門と熙庵…何となく似てますよね?」
「気のせいだろ…」
「貴方が学校に来た日、貴方はわざとあんな派手な格好で来た…
先生とよく似たその顔をカムフラージュするために…」
「…お前ってホント頭良くて嫌なガキだな…」
「俺は近くで見るまでそこまで似てるなんて全く気付かなかった…そしてその時やっとわかりました…
先生がなんで自殺したのか…」
「へー…」