消えた同級生【玩具の女編】
私はこの笑顔を知っている…

記憶の片隅にいつも脅かされていた人物…

私は本能で危険を感じていた。

頭の中で、まるで踏切のサイレンが鳴ってるかのように危険を教えている。

怖い!!

私の首や額に、冷たい汗が広がり出した…



私はこの男と正面で向き合った瞬間、記憶の彼方にこの笑顔を思い出している。


この、氷の王子の笑顔を…



私は昔、この人に会っていた。






この人が、あの事件の犯人なのだから…………










「先生は姪と知りながら蒼湖を愛してしまったんだ!」

「………」

「俺は蒼湖に話を聞くまで、二人は相思相愛なんだと勘違いしていた。
俺は先生の最期の言葉を聞いていたから。
『蒼湖に近付くな』って。…でも、本当は俺を守ってくれたんだ…
先生は…蒼湖が当時好きだった俺を、殺したかっただろうから…
あの牽制は、先生の優しさだった」




「あいつが望んだのは、蒼湖との死だ…」

「え?」
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